2020.09.30

沖縄タイムス　コラム　第1回

キャリア形成促す場を

新型コロナウィルスの影響で、合同企業説明会の中止や延期、インターシップの減少、オンライン授業など学生を取り巻く環境は大きく変化した。
昨日までの売り手市場から一変、未層有の状況を乗り越える必要がある。

キャリア教育に携わる１人としてこれまで以上に学生に様々な機会を提供していきたいと言う気持ちは強い。

先日、県内外の大学に通う3年生約10名とオンラインで座談会を行った。
こちらの不安をよそに学生たちからは前向きな言葉が続き、少し安堵の気持ちを覚えた。
「環境問題やSDGsに興味がある。」、「環境の課題解決に取り込む企業へ就職したい。」、
「企業規模問わず、様々な企業を訪問したい」、
「県外へ進学したことで、改めて沖縄の歴史や文化を学ぶ必要性を感じた」。
コロナ禍で働き方や価値観が変化する中、キャリア形成に対する前向きな変え変化が感じられた。

文部科学省はキャリアを「人が生涯の中で様々な役割を果たす過程で、自らの役割の価値や自分と役割との関係を見出していく連なりや積み重ね」と定義している。
キャリアは、職業上の経歴ではなく、個人の生き方そのものと考えられている。
学生生活の中で企業や社会人との出会い、それぞれの価値観に触れることで、キャリア形成に大きな影響を与える。その選択肢が減るのはこれからの社会を担う学生のキャリア形成の幅や視野が狭まることになりかねない。
　
　前向きな学生だけでなく、多くの学生は進路に不安を抱えている。Zoomなどを利用したオンライン合説、面接なども急速に普及する中、企業・学校・学生と連携し、学生のキャリア平成の幅が広がるような取り組みを共に創りたい。