2020.12.02

沖縄タイムス　コラム　第3回

　

一歩踏み出せば道開く

仕事のやりがいや喜びは人それぞれだが、私の場合はさまざまな企業へ訪問し、経営者や働く一人一人の「仕事を通して何に貢献したいか」「ビジネスを通じて、社会をどうしていきたいのか」と言う思いに触れ、その思いを学生をはじめ、多くの人に伝えていくことにある。

　高校卒業後、県外の大学へ進学し、仕事の配属をきっかけに沖縄へ帰郷した。
将来は県外で働きたいと考えていたので、学生時代は将来沖縄で働くとは考えていなかった。しかし、暮らしやすさなどの生活面はもちろん、多くの企業の取り組みや地域をより良くしていきたいと言う思いに触れ、学生時代は知ることができなかった沖縄の魅力に取り付かれた。
仕事を通じて大小さまざまな困難があったことも、この地でもっと頑張りたいと言う原動力になっている。
みらい企業プロジェクトは社会性や独自性のある企業が互いに交流や学びを深め、大学の先生や学生と地域の課題解決や学生のキャリア教育に取り込んでいる。
若者の支援に熱心な経営者が多く、私も多くを学ばせてもらっている。これまでも、バブル後の就職氷河期やリーマンショックなど、経済状況による就職活動への影響は大きく、「何で私たちの世代だけ？」と言う気持ちになりやすい。

　コロナ禍で将来が不安になる学生もいると思うが、地域を支える企業は若者に多くのチャンスを提供したいと熱心に活動している。
希望する業種や職種だけでなく、一歩踏み出すことで想像していないようなさまざまな道が開かれる。
県外海外で活躍する可能性や、居住地にとらわれず多様な働き方ができる時代でもある。多くの学生が仕事のやりがいや喜びに出会えるように取り組みたい。